心筋細胞の識別

Cardiac Classification
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心筋細胞から得られる活動電位は、培養内の心筋細胞のサブタイプを識別するのに有用です。心筋細胞の活動電位は、脱分極、プラトー、再分極のフェーズで構成されます。これらのフェーズの持続時間やカイネティクスの差異により、心房筋様、結節様、心室筋様など心筋細胞の識別が可能です。例えば、心房筋細胞のプラトーフェーズは短く、再分極フェーズの傾斜は鋭く、活動電位の持続時間は短く三角形的(triangular)な形状をしています。一方、心室筋細胞の活動電位は、顕著なプラトーフェーズが特徴で、持続時間も長く、四角的な波形をしています。

心臓における異種の心筋細胞は、その活動電位の差により一定程度の分類が可能です。例えば、典型的に、心房筋様細胞は、心室筋様細胞と比較して、短いプラトーフェーズと持続時間 (APD90) を示します。

Maestro MEA の LEAP (Local extracellular action potential) は、MEA電極を用いてAction Potential 形態シグナルを測定します。パッチクランプで要する電極操作は不要。ラベルフリーで測定し、活動電位波形の解析が行えます。

 

LEAPによる心筋細胞からの活動電位形態シグナルの測定と解析

心筋細胞の研究及び安全性試験などにおいて、活動電位の測定と解析は極めて重要です。本事例では、4種類のiPS細胞由来心筋細胞及び齧歯動物から得られた心筋細胞から、Maestro を用いて活動電位形態シグナルを測定しました。細胞種毎に特徴的な波形が得られました。

cardiac classification of APD across 90% of wells for iCell CM2
Cardiac classification of Coyne cardiomyocytes
APD of Cor 4U Cardiomyocytes
APD of Pluricyte CMs ADP

4種類のiPS細胞由来心筋細胞から得られたAPD 10-90% の平均と標準偏差を示す (iCell CM2 / n=20 wells、Cor.4U / n=17 wells、Coyne / n= 4 wells、Pluricyte / n=5 wells) 。
(A) 細胞種毎に異なる活動電位形態シグナルが得られた。APDはCor.4Uが最も短く、Pluricyte が最も長かった。ほとんどの細胞種において、活動電位終焉部の再分極フェーズにのばらつきが少なかったことから、APD90が再分極タイムポイントの有用な指標となることが示された。一方で、Coyne 心筋細胞では、再分極フェーズと比較して、プラトーフェーズのばらつきが少なかった。

 

LEAP induced on primary neonatal rodent ventricular myocytes
Primary Rodent CMs
beat period coefficient of variation was significantly higher for tbx-transfuced NVRMs

(B)新生仔ラット心室筋初代培養から測定されたLEAPシグナル。心室筋細胞をペースメーカー細胞へと再プログラミングさせる転写因子であるTbx18 導入ラット心室筋細胞と、コントロールのGFP導入ラット心室筋細胞の波形には差異が見られた 。
(C) Tbx18導入ラット心筋細胞からは、コントロールGFPと比較して、短いAPD30及びAPD90が得られた。
(D)更に、Tbx18導入ラットからは、コントロールGFPと比較して、非常に高い拍動間隔変動係数が示された。

胎児の心筋細胞は、成人の心筋細胞には無い生来の自動性を示すことが報告されていることから、このような活動電位波形の差異は、ヒトiPS細胞由来心筋細胞の未熟性によるものと推察することも可能です。また、細胞種類による拍動頻度のばらつきは、ペーシングにて拍動頻度を一定化させることの重要性を提起しています。

Cardiac classification assay protocol steps

Maestro Pro/Edge による心筋細胞評価は非常に簡単です。

コーティングされたMEAプレート上に直接心筋細胞を播種します(Day 0)。2-3日毎に培地交換をしながら、一定期間細胞を培養します。

データ測定日 (例: Day 7+) にプレートを Maestro に搭載し測定を行います。データは付属のソフトで解析可能です。

 

 

multiwell microelectrode array (MEA) system in lab

 

Maestro MEA による心筋細胞の識別:特徴

  • 活動電位形態シグナルの測定 - 平面電極を用いて活動電位形態シグナルを測定します。電極操作は不要。簡単な操作で、パッチクランデータと同様のシグナルの取得・解析が可能です。

  • 1システムで4種類のアッセイ - Maestro Pro/Edgeでは、1枚のプレートで次の4種類のアッセイが行えます。[1] 細胞外電位応答 [2] シグナル伝播 [3] Contractility (弛緩収縮評価) [4] LEAP (活動電位形態シグナル)

  • ラベルフリー・リアルタイムで細胞の電気的な活動を測定 - プレート上の電極を用いて心筋細胞の活動電位を測定します。ラベルフリー、リアルタイムな測定は、試薬など2次的要因によるゆがみがなく、細胞の変化をより正確にとらえます。また、数日から数週間に渡る慢性評価にも最適です。

  • 同一プレート上で培養から測定まで - MEAプレート上で直接細胞を培養し、測定します。環境要因による変化を最小限にとどめながら、細胞への負担が少ない状態で、細胞の変化を検出することができます。

  • 安定した環境下での実験 - 温度・CO₂ 濃度は、装置搭載のコントローラで自動制御されます。また、Maestro は外来ノイズ・振動に影響されにくい設計になっています。安定した環境で毎日安心して実験に望めます。

  • 簡単操作 - 電気生理未経験の方でも簡単に実験が行えます。MEAプレート上に細胞を培養し、装置に搭載するだけで、心筋細胞の電気的な活動の測定が可能です。付属のソフトウエアパッケージを用いて、数クリックで複数の指標に基づいた解析結果が得られ、結果の作表まで行うことができます

Cardiac MEA technology

Cardiac MEA

What is Cardiac MEA

Cardiac MEA (microelectrode array) technology is a label-free method for recording electrical activity in heart cells. Tiny electrodes embedded in the culture surface detect electrical signals from cardiomyocytes, allowing continuous, noninvasive monitoring of cardiac function in real time. This technology provides insights into cardiomyocyte function, rhythm, and drug response in 2D and 3D cell models

Why Cardiac MEA matters

Traditional cardiac assays rely on indirect, low resolution, or endpoint measurements that fail to capture electrical function, rhythm changes, and time-dependent drug effects. Cardiac MEA technology addresses this gap by providing direct, physiologically relevant measurements of cardiac electrophysiology, supporting safer drug development, improved cardiotoxicity screening, and more predictive disease models.

Cardiac LEAP technology

Cardiac LEAP

What is LEAP?

LEAP technology enables noninvasive, label-free monitoring of the cardiac action potential in a high-throughput, real-time format. LEAP can be used for quantification of action potential morphology, repolarization irregularities such early after depolarizations (EADs), and arrhythmic risk factors such as triangulation.

Why LEAP matters?​

The LEAP signal accurately reflects the shape and duration of the underlying action potential. The large signal allows for automated detection and classification of arrhythmic events, such as notched EADs, rolling EADs, or ectopic beats. LEAP also provides metrics not available from the field potential, such as rise time and triangulation.​